ジェイムス黄金の右即死キックは健在
アルベルトとか十傑衆に目が行きがちだけど、やっぱ大作少年の成長が見所だよな。 余談(多少、表現をボヤかした場所があります。ご了承ください) 本日、俺が学校でコーヒーなど飲んでいると、女性が二人近づいてきた。 見知らぬ連中であるはずだが、その割には妙に馴れ馴れしいのが気にかかった。 サインペンと、何かが印字された厚紙を手にしている。 「スミス君だよね?××の授業で一緒になった△△だけど覚えてるかな?」 俺が三次元女性の顔など覚えているはずが無い。すぐに否定の意を示した。 同時に、背中に悪寒が走った。キモメンの俺に女が話しかけてくるなんて、 ロクな事情ではないはずである……宗教か、壷か、どっちだ? 訝しんでいると、彼女たちは俺に例の厚紙を提示した。 「ちょっとアンケートに協力して貰いたいんだけど、構わない?」 断る理由は思いつかなかったし、かつて似たような事をした経験があった。 アンケートを取り、結果を基にレポートを製作する課題である。 テスト前だし、彼女らも大変なのだろう……と、考え、応じてしまった。 今思えば無用心過ぎ、考えが浅すぎた。 件の厚紙には、現政権で日本政府が実施した福祉政策が書かれていた。 これらの政策の内、世の中の役に立っているものを書けとのことだ。 とりあえず、二つほど○をつけてちょっぴり大人な気分ですぐ提出する。 「なるほどー、じゃあこちらにも答えてください」 すると、彼女らは紙を裏返して、もう一つの質問を提示した。 これらの政策をどこの政党が実施したか、と言うものだ。 俺は特に考えもせず、自民党の部分に丸をつける。 すると、彼女らは首を振った。 「違います」 思えば、この段階で気づくべきだったのだが、俺は更に間違いを重ねた。 自民党が実行していない政策を実行できる規模の政党と言えば? 「外したか……なら民主党ですか?」 「残念、それも違います」 彼女らは再び首を振る。 流石に、俺も気付かざるを得なかった。議席数は自民、民主に及ばないが、 資金力や影響力で負けていない政党と言えば……あそこしかない。 「もしかして……●●党ですかね……」 俺が口に出すと同時に、彼女らは満面の笑みを浮かべた。 「正解です!●●党は、こんなに福祉政策を実現しているんですよ。凄いでしょう?」 二人はまるで我が事のように喜び始めた。 「じゃあ、民主党が実行できた政策っていくつだと思いますか?」 「ゼロ……ですかね?」 何故か、彼女らは嗜虐的な笑みを浮かべ始める。 「大せいか~い!!彼らは口ばっかりで何もしようとしないんですよ。」 お前らがさせないだけだろうがと思ったが、 俺自身、別に民主党を支持しているわけでもないので黙っていた。 彼女らは得意げな表情で怪しげなビラを取り出し、俺に見せた。 「次の総選挙では、確実に力を持った●●党の力が必要なのですよ」 大学内で何を言っているんだろうこの人は……俺は愕然とした表情で彼女を見る。 すると、さっきまで黙っていたもう一人の女性が口を開いた。 「●●党の印象ってどうですか?あまり、知らないかもしれませんが」 知らないわけが無いだろう……お前たち、どれだけ悪事を働いてると思ってるんだ。 舐められているのかと一瞬激昂しかけたが、これは反撃のチャンスでもあった。 「正直言って、あまり良くありませんね。●●●●の原則はどこに行ったんです?」 相手の作り笑顔が一瞬歪むのが見えた。 「それは△△△△が嫌いと言うことでしょうか……?」 「あぁそうだよ」 と言ってやりたかったが、相手が相手だ。怒らせるのも危ない。 「いや、ルールはルールですからねぇw破るのはどうかと思いますよwww」 と笑いながら言った。彼女らは明らかに不機嫌な表情になる。 「そうですか、でも私たちの生活を良くしてくれるのは●●党ですよ」 女性は明らかに苦し紛れの言葉を吐いた。 「その事と、●●●●を無視している事は関係ありませんよねぇw」 こちらが笑っているからだろう、相手の表情に怒りの色が混じり始める。 見かねたのか、後ろのほうの女性が彼女の肩を叩いた。 すると、彼女は接近したときとは全く違う、無表情な仮面のような表情になる。 「じゃあ、アンケートはこれで終了です。 政治に興味を持ち、八月の総選挙に参加するよう、よろしくお願いします」 彼女らは俺にビラを手渡すと、逃げるように去っていった。 俺は三次元女の脅威に怯えながら、 ●●党にだけは絶対に入れないと心に誓うのだった。 PR |
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