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ジェイムス黄金の右即死キックは健在
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どうにも身体が動かない。もちろん筆も一切進まない。
クリスマスの瘴気に当てられているとでもいうのか。

なんとかコミケまでには体調を直したい。
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何故か12時間ほど睡眠したり、コールオブデューティのソ連シナリオをやったり、
なごみやさんの新作に期待したり、VIPにキモいレスを書き込んでいる間に、
一日が終わろうとしている。

クリスマスイブも近く、サンタコスの千桜さんのイラストを描こうとか思ったけど、
コミケがクリスマス後である事を考えるとやりにくい。

欧州的にはクリスマスは25日~大晦日までだから問題は無いのだろうが……

そもそも明日がクリスマスイブだと言う現実が恐ろしい。時間早過ぎないか

何もやってないので巻き込まれ規制だと思われる。
面倒だが、原稿を進める為にはむしろ好都合かもしれない。

クリスマスなんて無くなればいい。
クリスマスに幸せな奴は死ねば良いと思う。

こういった刺々しい言葉は、かつて毒男、喪男板の専売特許だったはずだが、
最近は何処の板でも、挙句に現実世界でも耳にするようになった。男性だけではなく、
女性すらもクリスマスなどのイベントを負担に感じる者が増えていると言う統計もあり、
恐らく男女両方からの悲鳴なのであろうと思うと、気が滅入る。

俺自身、クリスマスというイベントには良い感情を抱いていない。
12月に入ると、町を歩けばクリスマスソングが流れていない場所はないし、
何処でもかしこでもクリスマスを幸せに過ごそう!恋人と過ごそう!
などとアジテーションする看板や広告が満ちており、
喪男であり、幸せに過ごせるアテなどあるはずのない俺などは、

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京都なんて燃えてしまえばいいのよ!

などと荒んだ心になる事も多い。

……ふと、冷静に考えてみると、このような状況を何処かで見たように思った。
誰もが幸せに過ごすために尽力しているのに、幸せになろうと呼びかけているのに、
人々は逆に不幸せになっていく状況。

それを克明に描いた文学作品があったはずだ。

ミヒャエル・エンデの『モモ』である。

この小説には灰色の男達と称される怪人達が出現する。
彼らは将来の人生の幸せや老後の充実を餌に、
時間(体感時間)を節約させることによって人間から時間を奪取する。
犠牲者となった人々は、例外なくせっかちな刺々しい性格となり、
常に時間と他人の幸せを気にして過ごし始める。

物語の中盤で灰色の男達の暗躍は世界規模で成功し、
誰もが自制心を失い、享楽的な快楽と物欲に支配され、
それでいて、いつになっても幸せになれない人々に満ちた世界が構築されてしまう。

これが資本主義社会の行く末を皮肉ったものであることは疑いの余地が無い。

日本人は現実と物語の境界線を越えつつある様に思えてならない。
欧米人がキリスト教を盾に越えないできた一線を、無宗教である故に、
そして圧倒的な物量を持って、越えようとしているのではないか。

クリスマスに対する人々の苦痛は、その前兆と言えるのではないだろうか。

まぁ、クリスマスを本当に幸せに過ごしている人々からすれば、
俺こそが嫉妬に駆られて灰色の男達の手先になっていると言えるだろうが…

俺が漫画や小説を上手く書けない理由は人生経験の無さのような気がしてならない。
部員Aには「お前は万能感に支配されている。そんな素晴らしい経験を積んだ人間は居ない」
などと、しょっちゅう言われているのだが、俺には、どうしてもそうは思えない。
「観察力不足だ。周りを良く監察すれば面白い事が見つかる」とも言われるが、
無理だと断言できる。俺の人生を切り貼りして調理したところで面白い物語は作れない。

例を挙げて考えていこう。

まず恋愛関係の経験は全く無い。この時点で面白い物語を作ることは不可能と言える。
小説にしろ、漫画にしろ、色恋沙汰は物語の軸になることが多い、重要な部分である。
ここを他の小説や漫画などから借りてきた、間に合わせな代物で何とかしようというのは、
小説や漫画を冒涜するに等しい蛮行だと俺は考えている。

少年向けの物語を作るならば、冒険的な要素も必要だろう。
だが、俺の人生には冒険が無かった。安全第一で生きてきたツケが廻ってきたという感じだ。
スタンドバイミーのような冒険談など俺の人生には存在しなかったし、
何かに挑戦したと言う事も無かった。その場の流れに乗ってきただけだった。

物語を終わらせるためには勝利イベントはどうしても欲しいところだが、そんなものはない。
自慢ではないが、俺は実力で他人に勝ったことが一度も無い。
敗北イベントで終わらせる手もあるが、後味が悪い。そんな物語は出来れば読みたくないし、
読者にストレスを与えるか、「作者は何がやりたかったんだ?」という感想を与えるだけだ。

ここに挙げた三つの例だけでも俺の人生経験の少なさ、薄さが良く分かる。
出来れば早急に人生経験を補充したいところだが、どうすれば補充できるというのか…
二十年分の人生経験を今から追体験するとなると、俺は四十歳まで何も書けない事になる。
その年齢に達して尚、俺に小説や漫画を書きたいという欲求があるだろうか?

結局、今日もこんな役にも立たない駄文を残すことしか出来ない自分に心底腹が立つ。



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