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ジェイムス黄金の右即死キックは健在
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難しいぞ千桜さん・・・どうにもバランスがとれない・・・間に合うのか俺
妥協してエルピー・プルあたりを描いて誤魔化すかな。一番描きやすいし


以下チラシの裏

先日の続き

ビデオの事件から四ヵ月後の三月。Nは転校した。
もちろん、ビデオのことは関係がない。親の転勤だったそうだ。

彼からは数ヶ月に一回、手紙が来た。それは中学校に入ってからも絶えることなく、

やがて携帯電話を手に入れてからはメールでの近況報告がメインとなった。

だが、時が立つにつれ、俺の友情も冷めていった。
遠くにいて会うこともない友人の事をいちいち思い出す事が億劫だったからだ。
メールのやりとりは、一ヶ月に一回になり、やがて一年に一回のペースになった。
近況報告の内容も、やがてアドレスの変更などといった、内容の無いものになっていた。

今年の二月、俺は一年ぶりにNに電話する事にした。
小、中学時代の多くの友人と成人式で再会したのだが、卒業前に転校し、
別の地方に行ってしまった彼とは再会出来なかったからだ。

例のビデオの事がまだ気にかかっていたというのもある。
俺にとってあのビデオはある種のトラウマとなっており、彼と話し合うことで、
笑い話にしたいという気持ちもあった。

幾度かコールしたが、電話はなかなか繋がらなかった。
時間を変え、数度のコールを試みた末に、ようやく電話が繋がった。

「もしもし、N(名字)ですが」
面食らった。電話先の声は中年の女性にしか聞こえなかったからだ。
「もしもし、これ、Nくんの電話ですよね?自分は(俺の本名)という者なのですが・・・」
「はい・・・もしかして、小学校の時の●●くん?」

どうやら、相手はNの母親らしかった。
「そうです。」と応えると、相手は黙り込んだ。
相手に信じられていないのか、と思った俺は
「N君に代わってもらえないでしょうか?留守ですか?」と続けた。
今思えば、携帯電話にかけたのに、母親が取った、という時点で疑問を感じるべきだった。

彼女は悲痛な感情を抑えるような、篭った声で応えた。
「すいません、Nは死にました」

頭を殴られたような衝撃が俺を襲った。
「どういうことですか?死んだって・・・?」
「・・・三日ほど前に死んでいたのを私が見つけたんです」

何故か、凄まじい悪寒を感じ、同時にあるイメージが脳裏に浮かんだ。
あのビデオに映っていたもの、それがしていた事。
悲しいという気持ちはなかった。むしろ、身勝手な、恐怖だけを感じていた。
やがて、俺は意を決して口を開いた。

「すいません・・・もしかして・・・Nくん、首を吊っていたんじゃないですか?」

電話が切れた。

それ以来、彼の携帯電話にはかけていない。恐らく、もう契約は解除されているだろう。
手紙に書かれていた住所を基に彼の家族を訪れる事も出来るだろうが、迷惑なだけだろう。

俺は映像を見てから10年近いときが流れた今でもあの映像の事を忘れられない。
忘れたほうがいい、とは思っているのだが・・・

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