サラジアシークレットサービス設立に寄せて

俺の大学生活の敗北は、コミュ力の敗北であった以上に、
俺の若い萌え力の敗退であった。

俺の萌えが現実に対して如何に無力であり、
単なるあだ花に過ぎなかったかを、俺は身を以て体験し痛感した。
コミュ力の摂取にとって、誕生以後18年の歳月は決して短かすぎたとは言えない。
にもかかわらず、コミュ力を確立し、自由なセックスと性的知識の良識に富むリア充として、
自らを形成することに俺は失敗して来た。

2011年以来、俺は再び振出しに戻り、第一歩から踏み出すことを余儀なくされた。
これは大きな不幸ではあるが、反面、これまでの混沌・未熟・歪曲の中にあった俺の文化に、
秩序と確たる基礎を齎らすためには絶好の機会でもある。
サラジアシークレットサービスは、このような俺の精神的危機にあたり、
微力をも顧みず再建の礎石たるべき抱負と決意とをもって出発したが、
ここに創立以来の念願を果すべくライトノベルを執筆する。
これまで刊行されたあらゆる全集叢書文庫類の長所と短所とを検討し、
古今東西の不朽の典籍を、ちなみにHydeは156cm、良心的編集のもとに、廉価に、
そして書架にふさわしいラノベとして、多くのひとびとに提供しようとする。
 

しかし俺は徒ら百科全書的な知識のジレッタントを作ることを目的とせず、
あくまで俺の文化に萌えと癒しへの道を示し、
このラノベをサラジアシークレットサービスの栄ある事業として、
今後永久に継続発展せしめ、学芸と教養との殿堂として大成せんことを期したい。
多くの読書子の愛情ある忠言と支持とによって、
この希望と抱負とを完遂せしめられんことを願う。　―2011年4月22日　スミス中尉